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糖尿病網膜症と糖尿病黄斑症

Medical

糖尿病網膜症と糖尿病黄斑症|福井眼科|JR「千里丘」駅より徒歩2分

物が見える仕組み

目に入った光は、角膜・水晶体などで屈折し、網膜に達した後、脳で認識されます。カメラにたとえると、角膜・水晶体はレンズ、網膜はフィルムのはたらきをしています。

ものが見える仕組み

正常な黄斑部

糖尿病網膜症とは

糖尿病網膜症は、糖尿病で血糖値が高い状態が続くことにより起こる合併症で、三大合併症と呼ばれる代表的な合併症のひとつです。長い期間、血糖値の高い状態が続くと、網膜にはりめぐらされている細かい血管(毛細血管)が傷ついたり、つまったりして起きる病気です。糖尿病網膜症は、単純網膜症→増殖前網膜症→増殖網膜症と進行します。糖尿病網膜症は黄斑症を発症しない限り、失明の一歩手前の増殖網膜症で硝子体出血を起こすまで自覚症状のない疾患です。自覚症状が出てからの受診では手遅れですので、糖尿病の患者様は必ず眼科に定期的に通院して下さい。病期が進行すると、下記のように通院間隔は短くなりますが、糖尿病網膜症の変化が見られない場合の通院期間は、6ヶ月から12ヶ月と負担になる通院ではありませんので、かかりつけの眼科を決めるようにお勧めします。

単純網膜症

毛細血管がやぶれ始め、血管にコブができたり(毛細血管瘤(りゅう))、出血したりします(点状出血)。また、やぶれた血管から、血液や血液中の成分がもれだします。通院間隔は3ヶ月から6ヶ月になります。

前増殖網膜症

血管の障害が繰り返されることで血管壁が厚くなり、血管が狭くなったり、つまったりして(血管閉塞)、血液が網膜に十分に流れなくなる(虚血(きょけつ))状態です。通院間隔は1ヶ月から3ヶ月になります。この段階でレーザー光凝固を開始して、病状の進行を抑えます。当院ではellex社製solitaireを導入しており、レーザー光凝固が可能です。

レーザー光凝固術の費用

片眼 両眼
1割負担の方 10,000円〜18000円 同月内なら18000円
2割負担の方 18,000円 同月内なら18000円
3割負担の方 30,000円〜55,000円程度 60000円〜110000程度

高額医療制度により70歳以上の方は、1割・2割負担の方は同月内に両眼手術をすると、片眼でも両眼でも18000円、3割負担の方は、両眼で5万円程度のお支払いですむ方もおられます。70歳以下の方でも同月内に両眼手術をすると、高額医療の適用になる方がおられますので、市役所か加入されている保険組合にお問い合わせ下さい。

増殖網膜症

虚血になると、網膜では、新しい血管が作られます(新生血管)。新生血管はもろく、壊れやすいので、出血を起こすことがあります。出血量が多いと視力障害が回復しませんので、硝子体手術の適応になります。また、硝子体(しょうしたい)に膜ができ、その膜が収縮して硝子体と網膜を癒着(ゆちゃく)させ、網膜を引っ張り、網膜剝離(はくり)を引き起こすこともあります(牽引(けんいん)性網膜剥離)。通院間隔は1ヶ月になります。

糖尿病黄斑浮腫

黄斑浮腫(おうはんふしゅ)はいずれの病期においても合併することがあります。糖尿病黄斑浮腫は、網膜の細い血管にコブができたり、血管から血液中の成分がもれだしたりして網膜内にたまっている状態です。そのため、ものの詳細を見分けたり、文章を読んだりするのにとても大切な場所、「黄斑(おうはん)」がむくんでしまい、ものが見えづらくなります。通院間隔は1ヶ月から3ヶ月になります。治療は、VEGF阻害剤を硝子体に注射することにより黄斑の浮腫を軽減します。

糖尿病黄斑浮腫

点眼消毒・麻酔・注射

VGF阻害剤の硝子体注射治療の費用

片眼
1割負担の方 15,000円程度
2割負担の方 18,000円
3割負担の方 45,000円程度