黄斑疾患の1つである、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)は、眼の網膜にある「黄斑(おうはん)」という部分の機能が、加齢などの原因によって障害される病気です。黄斑が変化すると、モノが歪んで見える、視野の中心が黒くなる・欠ける、視力が低下するなどの症状がでます。高齢者の失明原因となる病気の一つで、近年増加する傾向にあります。
加齢性黄斑変性症の分類
滲出型加齢黄斑変性
網膜色素上皮の細胞内に溜まった老廃物を吸収しようとして、脈絡膜から脈絡膜新生血管が伸びてきます。脈絡膜新生血管は破れて出血したり、血液中の成分が漏れ出たりしやすいので、その水分が組織内に溜まって、網膜を押し上ることにより、網膜にダメージを」与え、失明することもあります。
萎縮型加齢黄斑変性
黄斑の組織が加齢とともに萎縮する現象です。症状はゆっくりと進行し、急激に視力が低下することはありません。網膜の細胞が加齢により変時間の経過とともに新生血管が発生し、滲出型になることもあるので、定期的に眼科医で検査を受ける必要があります。
サプリメントによる予防と治療
サプリメントの効果の根拠は、AREDS (Age Related Eye Disease Study)とAREDS2という2つのアメリカでの大規模研究です。これらの研究によりビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅、ルテイン、ゼアキサンチンの組み合わせにより加齢黄斑変性の発症頻度を下げることができることが実証されました。当院ではサンテ ルタックス20V・参天製薬を取り扱っています。
VGF阻害剤の硝子体注射治療
体の中には、脈絡膜新生血管の成長を活性化させるVEGF(血管内皮増殖因子)という物質があります。VEGF阻害剤による治療は、このVEGFの働きを抑える薬剤を眼内に注射することにより、新生血管の増殖や成長を抑制する治療法です。滲出型加齢性黄斑変性がこの治療の適応になります。
VGF阻害剤の硝子体注射治療の費用
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片眼 |
1割負担の方 |
15,000円程度 |
2割負担の方 |
18,000円 |
3割負担の方 |
45,000円程度 |