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物が歪んで見える黄斑疾患

MEDICAL

物が歪んで見える黄斑疾患|福井眼科|JR「千里丘」駅より徒歩2分

黄斑とは

フィルムの役割をしている網膜の中でも、視力をつかさどる重要な細胞が集中しているのは黄斑(おうはん)と呼ばれる中心部分です。黄斑は、ものを黄斑(網膜)は見るために一番重要な部分で、ものの形、大きさ、色、奥行、距離などの光の情報の大半を識別しています。黄斑が変化すると、モノが歪んで見える、視野の中心が黒くなる・欠ける、視力が低下するなどの症状がでます。人間ドックでは、網膜前幕、黄斑前膜、黄斑上膜、加齢性黄斑変性、ドルーゼンなどの黄斑疾患が指摘されます。

ものが見える仕組み

ものが見える仕組み

黄斑自己診断

黄斑自己診断

左右とも片目で、この格子状の図が歪んで見えないか確認してみて下さい。歪んだり、中心が黒くなったり、欠けたりしていると、黄斑に疾患がある可能性が高くなります。黄斑疾患には、加齢性黄斑変性症、網膜前幕、網膜静脈閉塞症、糖尿病黄斑症、網膜分離症、黄斑牽引症候群、黄斑円孔など、数多くの疾患があります。

網膜前膜、黄斑前膜、黄斑上膜

黄斑疾患の中で最も頻度が高く、人間ドックなどでよく指摘される疾患で、網膜の中心部である黄斑の部分に線維のような膜ができる病気です。網膜前膜、黄斑前膜、黄斑上膜など様々な病名がありますが、すべて同じ疾患です。軽度の場合、自覚症状はありませんが、膜の厚みによっては視力低下や物が歪んで見えるなどの症状が現れます。進行すると、著しく視力が低下することもあり、手術の適応になりますので、定期的な検診をお勧めします。当院に導入しているOCT検査機器TOPCON社製Maestroで容易に診断がつき、進行の程度も網膜の厚さを判断することが可能です。また、ゆがみの程度もMチャートにて定量可能ですので、総合的に硝子体手術が適応かを判断します。

加齢性黄斑変性症

黄斑疾患の1つである、加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)は、眼の網膜にある「黄斑(おうはん)」という部分の機能が、加齢などの原因によって障害される病気です。黄斑が変化すると、モノが歪んで見える、視野の中心が黒くなる・欠ける、視力が低下するなどの症状がでます。高齢者の失明原因となる病気の一つで、近年増加する傾向にあります。

加齢性黄斑変性症の分類

滲出型加齢黄斑変性

網膜色素上皮の細胞内に溜まった老廃物を吸収しようとして、脈絡膜から脈絡膜新生血管が伸びてきます。脈絡膜新生血管は破れて出血したり、血液中の成分が漏れ出たりしやすいので、その水分が組織内に溜まって、網膜を押し上ることにより、網膜にダメージを」与え、失明することもあります。

萎縮型加齢黄斑変性

黄斑の組織が加齢とともに萎縮する現象です。症状はゆっくりと進行し、急激に視力が低下することはありません。網膜の細胞が加齢により変時間の経過とともに新生血管が発生し、滲出型になることもあるので、定期的に眼科医で検査を受ける必要があります。

サプリメントによる予防と治療

サプリメントの効果の根拠は、AREDS (Age Related Eye Disease Study)とAREDS2という2つのアメリカでの大規模研究です。これらの研究によりビタミンC、ビタミンE、亜鉛、銅、ルテイン、ゼアキサンチンの組み合わせにより加齢黄斑変性の発症頻度を下げることができることが実証されました。当院ではサンテ ルタックス20V・参天製薬を取り扱っています。

VGF阻害剤の硝子体注射治療

VGF阻害剤の硝子体注射治療

体の中には、脈絡膜新生血管の成長を活性化させるVEGF(血管内皮増殖因子)という物質があります。VEGF阻害剤による治療は、このVEGFの働きを抑える薬剤を眼内に注射することにより、新生血管の増殖や成長を抑制する治療法です。滲出型加齢性黄斑変性がこの治療の適応になります。

VGF阻害剤の硝子体注射治療の費用

片眼
1割負担の方 15,000円程度
2割負担の方 18,000円
3割負担の方 45,000円程度

網膜静脈閉塞症

高血圧や動脈硬化が原因で網膜(もうまく)の動脈が固くなり、動脈と静脈の交差部で静脈を圧迫することにより、静脈血が詰まっている状態です。網膜の静脈が詰まると静脈の圧力が上がり、網膜の血管が広がったり、蛇行したり、出血したりします。また、網膜に血液中の水分がたまったりして、むくみ(黄斑浮腫)を起こします。黄斑浮腫が起こると、モノが歪んで見える、視野の中心が黒くなる・欠ける、視力が低下するなどの症状がでます。治療はまず血圧をコントロールすることが基本ですが、黄斑や血管の浮腫は、VEGFの働きを抑える薬剤を硝子体に注射することにより治療します。網膜の虚血による新生血管が原因で硝子体出血を起こした場合は、硝子体手術の適応になります。